天日干し米にこだわる理由
現在の農業は省力化+大規模化+大型機械化+自動運転化で、
コンバインで稲刈り後、お米の乾燥機に入れられ約12時間で乾燥されています。
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しかし天日干しは、時代の流れに逆行して昔ながらの自然乾燥の天日干し米です。 バインダーという稲刈り+刈った稲を束にする機械を使用します。 相棒の名前はバインダーみほさん(笑)
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この機械を使用するためには、肥料をやり過ぎてイネが倒れると使用できません。田んぼを乾かさないと使用できません。コンバインだと稲刈りはできますが、バインダーを使用するために実はいろいろな栽培技術が必要です。バインダーで稲刈りができるということはそれだけ技術がいるということです(^^)v無農薬の栽培技術の自慢と省力化が求められている時代に逆らってあえて重労働で大変な天日干しにこだわる俺ってすげぇ~だろ!!と心の中で優越感に浸っています(笑)
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どんなに経験を積んで、どんなに神経を使って栽培しても、天候と田んぼによっては乾かない時があります。そんな時は手刈りをして干す作業もぬかるんでいるので倍以上疲れます。
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バインダーで刈り取り終了。束になった稲穂を集める作業とはざの組み立てをします。
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稲を干すはざを田んぼの中に組み立てます。太陽の向きと風向きを考えて組み立てます。 重たいはざを田んぼの中を持って歩くのもなかなかの重労働でしかも組立ては重要な作業です。
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束になった稲を一つ一つ集めてはざにかけて干します。コンバインで稲刈りをすれば30分でできる面積も6時間かけて集めて干す作業をします。これがとても腰が痛くなる重労働です。昔はこの作業の時は家族総出ではざかけしていたそうです。そして農業が嫌いになる原因でもあるそうです
一年を通して田んぼの中で休憩するのはこの時だけです。しんどい作業も天日干しでできた影で景色と香りを感じながら休憩するのは最高です!!
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たまに影を利用して見えないところでサボることもできますが、、、、(笑)
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この大変な作業のあとに出現する天日干しの風景がとても大好きです。現在見ることができない希少価値のある日本の原風景である天日干しの風景を見ると、達成感がるのと風で揺れる天日干しの稲穂の音と香りが大好きです。
一般的には乾燥機を使って約12時間ほどで乾燥させますが、天日干し米は太陽のパワーをいっぱい受けて、約1週間ほどじっくり時間をかけて自然乾燥させます。イネは刈られたことによって、子孫を残すため最後の力を振り絞って葉や茎に残っている養分を籾に集められ(養分転流)、生命力溢れるお米になります。本当にこれが天日干しの神秘的で最大の特徴だと思います。そこに感動してお米の名前に完熟米と名付けました。
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色もすっかりかわりました。お米の水分を約15%なるまで干します。 天候によって日数はかわりますが、約1週間から10日間ほど自然乾燥させます。 その間、太陽のパワーをいっぱいもらってデンプンが糖化し、天日干し独特のうま味とコクのあるお米になります。 まさに【極】天日干し完熟米の名にふさわしい!!
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時には長雨にあたる時もあります。
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時には台風の強風で倒れる時もあります。なので1年1年天日干しのお米は香りや味がかわります。 でもそれが機械乾燥にはない天日干しのお米のいい所だと思います
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水分が約15%になるまで自然乾燥できると脱穀という作業をします。コンバインでは稲刈り+脱穀+運搬までしてくれる優れた機械ですが、天日干し米の時は約1週間かけて干した後に脱穀という作業が残っています。脱穀の時はだいたい、明日雨とか明日台風とか切羽詰まった時が多いので休憩もほとんどなく一気に脱穀します。天候との戦いで急に雨が降ったりするとまた干さないといけないので、雨雲レーダーとにらめっこです(;^_^A
脱穀された後の無農薬の藁は、畑のマルチに利用できるため家庭菜園している兼業農家さんにはとても人気があります。
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コンバインならば、30分で稲刈りを終わらせ12時間で乾燥され、翌日には玄米になります。 このように天日干し米は玄米になるまでに難しい技術といろんな大変な作業を経ています。無農薬栽培という技術の結晶といろんな人の助けをいただいて育ったお米、太陽のパワーをいっぱい受けた生命力あふれるお米、だからこそ思い出がいっぱい詰まったお米。どんなに時代が省力化・大規模化・自動化しても、私は体が動く限り天日干しのお米を作り続けたいと思います。
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